◆プロレベルのトークとは?
今回は「ニュアンス」の話なので、言葉を尽くしても、うまく伝わらないかもしれません。
でも、本当に役に立つ、ものすごく重要なことを書くつもりです。
受講生と話をしていて、こんな感じの会話になったことがあります。
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「……ということは、『この保険の見直しができます』って言えばイイんですね?」
「いや、それじゃダメでしょ。『見直しができます』じゃなくて、『この保険の悪い部分も良い部分もよくわかってますから』でしょ」
「そうですか。その後で『見直しましょう』ですね?」
「いや、そうじゃなくて、『悪い部分を取って、正しいものに入れ替えれば』でしょ」
「なるほど。それだけいきなり言えばイイんですね?」
「いきなりじゃダメでしょ。『私はこの保険を実際に売っていましたから』がないと意味が通じないじゃん」
「ということは、『私はこの保険を売っていたので』って言ってから……ですね?」
「そうじゃないって。『私はこの保険を実際に売っていましたから』って、今、言ったじゃん」
「で、『やりませんか?』って言うんですね?」
「それも違うよ。『か?』で終わる言葉は禁句だってセミナーで言ったでしょ。『やりませんか?』じゃなくて『やります?』でしょ」
「じゃあ、『どうですか? やります?』ですね?」
「あのさ〜、『どうですか?』も禁句でしょ?。言うなら『どうです?』だけど……それはいらないよ」
「ということは、『私はこの保険を実際に売っていましたから、商品の良い部分と悪い部分が……』」
「違うって。『商品の』はいらないし、『悪い部分も良い部分も』だよ」
「『商品の』って、入れちゃダメなんですか?」
「入れない方がイイよね〜。だって不要じゃん?」…… …… ……。
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私が言いたいこと……わかります?
プロレベルのトークというのは、『私はこの保険を実際に売っていましたから』と『私はこの保険を売っていたので』の言葉の違いがわかるレベルになるということ。
そういうレベルでの言葉の精査があってこそ、しっかりとアプローチトークをプレゼンテーションにつなげることができるし、プレゼンテーションを契約につなげることができます。
◆言葉の精査とは?
上記では状況説明がないから「私はこの保険を実際に売っていましたから」と「私はこの保険を売っていたので」という言葉だけを比較しても、どちらが正しくてどちらが間違っているとは、読者のあなたには判断できないでしょうね。
でも、「どういうレベルでの精査」が必要なのかの例をあげることは可能です。
●語尾のほんのわずかの変化
「〇〇なんです」と「〇〇なんですよ」と「〇〇なんですよね」は……違います!
どれを選択するべきかは、あなたと顧客との関係性、その場の状況、あなたのキャラなどによって変わってきます。
ただし、一般的には「〇〇です」「〇〇なんです」のように「言い切る語尾」が適切であるケースはほとんどありません。
……というレベルでトークを考えたこと、あなた、ありますか?
1つの文章について、必ず1つの語尾がある。
ということは、語尾についてだけでも、考えるべきことはたくさんあるのです。
●「あの〜」「え〜」といった、台詞以外の、つい口から出てしまう言葉
こうした言葉が「聞き手が気になるほど頻繁に出てしまう口癖」ならば直さなければなりませんが、つい口から出てしまっても問題がない場合と、成約率に影響を及ぼしてしまう場合があります。
こういう部分は、ロープレの書き起こし原稿を見ただけでは分からないから、指摘するのは結構大変なんですよ。
でも、「言葉こそ商品」なのですから、こうしたレベルまで精査することが必要です。
●「つなぎ」の言葉
これは「些細な部分の」「精査」ではなく、ものすご〜く大切な、成約率に直結する要素です。
「……で、次に……」
「以上を踏まえた上で……」
「……といった7つの問題があるワケです。で、この問題をすべて解消した設計が……」
要するに、話が転換する際に使う言葉ですね。
この言葉が適切でないと、売れません!
ついでに。
上記の例についても、「……といった7つの問題」と「これらの7つの問題」では違いますし、「問題があります」と「問題があるワケです」は違います。
「ここまでの説明を踏まえた上で……」はNGですが、「ここまでを踏まえた上で……」はOKです。
プロのトークとは、こういうレベルの話なのです。
●間合い、強さ、速度
これこそ「文章では表現できないニュアンス」ですね。
一般的には、「淡々と、同じペースで、語りかけるように」で契約が取れる人は「名人クラス」の技量の持ち主です。
私は、マーケティングプランナー時代、会社で2番目にプレゼンテーションが上手いと言われていました。
1番は私の師匠でしたが、その人は「淡々系」で「伝わるプレゼンテーション」をすることができました。
マーケティングプランナーの場合、「淡々系」をやってしまう人が多いのですが、それはかなり難しい。
保険営業の場合はなおさらで、「淡々系」で契約を取るのは「至難の技」なのです。
そもそも相手は素人なのですから、難しいことを言っても理解できませんし、どこが要点なのかも分かりません。
だからこそ、「間合い」や「強さ」や「速度」に変化をつけて、伝えたい箇所を相手にしっかりと伝えることが必要になります。
つまりは、まったく同じ台本を喋っても、売れる人と売れない人がいるということなのです。
木戸一敏さんは、学習用教材の訪問販売をしていた頃に、トップクラスの代理店主であった社長のトークを録音し、暗記して、一言一句違えずに喋れるようになったそうです。
でも、その結果は……「1件も売れませんでした!」とセミナーで言っていました。
そういうものなのですから、「間合い」や「強さ」や「速度」についても、「プロレベルでの精査」が必要なのです。
◆プロレベルのトークの構築のために
ニュアンスだらけの文章なので分かりにくかったでしょうが、「プロレベルの言葉の精査」とは「どんなレベルなのか」を感じることはできたと思います。
とにかく、受講生と話をしていても、「言葉が甘いんだよな〜」と感じざるを得ません。
これが受講生じゃないと……禁句のオンパレードになっちゃう(笑)。
重要なことなので何度でも言いますよ。
「言葉こそが商品」なのだから、それが「甘い」ということは、「あんまり売れない」になってしまうのです。
言葉を選び、精査するために必要なことは「正しい顧客第一」しかありません。
「この言葉を発したら、目の前の顧客はどう感じるか?」をありありと想像し、感じようとすることが必要なのです。
会社が教える「果てしなく売れないトーク」をそのまま使っちゃうなんてのは論外です。
顧客は間違いなく嫌悪感と「強い違和感」を感じるのだからね。
そんなトークを何も考えずに使ってしまう人が大半だから、その結果として、93%の保険営業が廃業に至ってしまうのです。
特に「保険屋言葉」には注意してくださいね。
私は常に「顧客がどう感じるか」を「感じよう」としていましたから、「プラン」という何気ない言葉が「禁句」であることに気づくことができました。
「プラン」ですら禁句なのだから、「保険屋しか使わない保険屋言葉」などはもってのほかです。
でも、業界に身を置いていると、ついつい「普通だと思って」使ってしまうものなのですよ。
ちなみに、ソニー時代に16年連続最優秀営業所にいた私は、6年半の間「契約をお預かりする」という言葉を聞いたことがありませんでした。
ソニーを卒業して、セミナー講師をやるようになってから、初めて「お預かりする」という言葉を聞いて、「キモ!」と感じましたが……これってまさに、保険屋視点の、保険屋しか使わない、究極の「保険屋言葉」でしょ?
そういう言葉を使わない営業所だからこそ、日本一だったのです。
とにかく、プロレベルのトークを構築したいのなら……まあとにかく「こっち側の世界」に来なかったら無理でしょうね。
なぜならあなたの頭の中にあるセールストークのほとんどが「禁句!」だから。
ライフプランも保障も、「夢」だの「愛」だの「ご家族への愛情」だの、ましてや「使命」なんて……普通の人は口にしませんよ。
そういうことをしっかり」感じられる」ようにならないと、プロとして食っては行けません。
◆最後に
こうした弊害は、「あなたを売れなくする会社の教え」が既成概念になってしまっている場合に必ず表出します。
ということで、あなたも、この文章で私が伝えたかったニュアンスを「感じよう」としてくださいね。
⭐︎参考教材
「売れるトークの真髄

