前回、かつて受験勉強中に、半年間で偏差値が40もアップした話を書きました。

 そうしたら、複数のママさんから「先生、参考までにもうちょっと詳しく教えてほしいです」「娘が来年受験なので」のようなコメントをいただきました。

 わかるよな〜。
 親なら「子どもの役に立ちそうなことなら、知りたい!」と思うだろうからね。
 だから、リクエストにお答えして、今日はそのちょっと先の話を書きます。


 教材「学びの学び」では、この話のちょっと先で、「知識の断片が頭の中でシナプス結合した瞬間、偏差値は一気に上がる」という話をしています。

 これ、保険営業でもまったく一緒なのよ。
 特にウチの受講生の場合は。

 開店に必要な最低限の知識(インテリアや厨房機器や食器類やメニュー表やお店の看板……受講生なら「ああ、ホント、これはラーメン屋さんのどんぶりなんだな!」って実感できるよね!)は、セミナーで教わる。
 でも最初は、ワークをやるのと必須シート類を作るのに手一杯になる。

 それは実は、とってもイイコトなのよ。
 没頭してやっていれば、余計なことを考えなくて済むからね。

 そして準備が整ったら、いよいよ「売り」が始まるんだけど……私が近くにいたら言うのだろうな〜。
 「おいおい、どんぶりがネ〜だろが。ラーメン出せネ〜ぞ? 客を入れるなよ!」って(笑)。

 こんなことだらけなのだから、セミナーを受講して分かったような気になって離れて行ったらダメなのよ。
 そういう人は、なかなかシナプス結合が起きず、ちゃんと売れるようになるまでに時間が掛かってしまうのです。

 話を戻して。

 実際にあれこれと考えながら売っていると、ある日突然「あ、これか!」「三洞さんはこのことを言っていたんだ!」「先生の言った通りだ!」ということに気づく。
 これが「シナプス結合の瞬間」なのよ。

 ただし、受験勉強と保険営業では、真逆の点が1つある。
 それは、保険営業の場合は「苦手なことに目を向けてはいけない」。
 対して受験勉強の場合は「間違った箇所だけに目を向ければいい」。

 ここが真逆になるのです。

 私の偏差値が一気に上昇したのは、定期的なテストや模擬試験の見直しを徹底的に行うようになった以降なのよ。

 正解できたところに目を向けても何の意味もない。
 間違った箇所についても、正解だけを知ってもあまり意味がない(活動量型と一緒。微小な足し算にしかならない)。
 なぜ間違ったのかを明らかにした後、二度と間違えないように、その関連事項を全部ノートに書き出す……これが「勉強」でした。

 それをやっていたら……ある日、世界史で「気づいた!」んだよね。
 「あ、繋がった……」って。

 世界史なんて、完全に暗記だと思うよね。
 そりゃそうなんだけど、間違った箇所の前後だけでなく、同時期の他の地域の状況(例えば、ヨーロッパで締結された条約の年を間違えたのなら、同年代にアジアと日本では何があったのか)をしっかりとノートに書き出す。
 それをやっていると、前後左右がどんどん繋がって行って、「覚えている」ではなく「理解できた!」になるのよ。

 もちろん英語でも同じ。
 そうやって「理解できた!」になると「もう間違える気がしない」になる。

 だから、すべての受験に合格した時には、慶應の英語以外は、「え? オレ、こんな簡単な問題に答えるために、1年間勉強したの?」と思えました。
 慶応の前に学習院と青山を受けたけど、1時間の持ち時間なのに20分くらいで終わっちゃって、見直しをしてもまだまだ時間があるから、解答用紙を提出して外に出ちゃったもんね。


 これが「シナプス結合」であり、偏差値が急上昇する瞬間なのよ。
 ただし、受験には期限があるから、その時を受験前に迎えられるか否かが、合否の分かれ道になる。

 かつて……あったんだよな〜。

 オレ、1人だけ「書」を教えた女の子がいるのよ。
 地元の後輩の娘ちゃん。

 その子が「書道教室に行きたい」と言ったから、親は「お前の先生は決まってるから」と言ったんだって。
 で、その後輩が「ということなんで、先輩、お願いします」と言うから、「いや、オレ、教えてないんだよ」と言ったら、「え〜っ、そうなんですか、困ったな〜」と言う。
 だから「お前の娘だったら、週1回、ウチに来させていいよ。オレが書いている傍で書いて、書いたら見てやればイイのだからな」と言い、週に一度、私の部屋に来るようになりました。

 週に1回会っていると分かるんだよね〜。
 「この子、ものすごく頭いいな!」ってことが。
 だから、迎えに来たママにそれを言ってみたら、「実は、模擬試験みたいなものを受けたら、埼玉県で5番目の成績で、みんなで驚いているんですよ」と言う。

 私は「誰に似たんだよ?」と聞きましたよ。
 父親は明らかにバカだからね。それは奥さんが一番良く知っている(笑)。
 だから、「よしみちゃん(ママ)の親類に、そういう人、いるの?」って聞いたら、「ウチの方もそういう人、いないんですよ。だからみんなで『誰に似たんだ?』って不思議がってるんです」。

 まあ、先が楽しみなのは間違いないから、以降は書を習いに来た時には、アホな父親に代わってお勉強の話をしてあげるようになりました。
 書の方は見込みがなかったからね。
 見込みがないことをやるよりも、強みを伸ばす方がイイに決まっています。

 で、その頃は小学生だったけれども、東洋英和(六本木にある難関お嬢様学校)に進み、東洋英和でも成績は良いと聞いていたから、「間違いなく東大に行くな!」と、オレは楽しみにしていたのです。

 ところが!
 ある日、そのアホな父親と優秀な娘が、店に顔を出しました。
 そして「サトコが大学が決まったので、ご報告に来ました」と言う……。

 私はもちろん東大だと思っていたのです。
 ところが……「明治に決まった」と言うのですよ!

 いや、明治をバカにする気はありませんよ。
 でもね、間違いなく東大に行くと思っていたかつての教え子が、明治に決まったと言うから「何で東大じゃなかったの?」と聞くのは当然だよね。

 そうしたら「ちょっと難しかったので、秋頃に推薦で明治に決めました」。
 娘ちゃんが一緒にいたからキツいことは言いませんでしたが、もしも父親だけで相談に来たのなら「アホかお前は!」と言ったと思います。
 心の中では「このバカが!」と思いながらも、「あのな、学力ってのは、受験直前になって急上昇するものなんだよ」と言いました。

 そうしたら父親が「え〜っ、そうなんですか〜!」と驚くから、娘ちゃんに悲しい思いをさせちゃいかんと思って、「まあ、決まったのならそれが運命だし、サトコはお利口だから、自分でやりたいことを見つけて、どんどん進むだろ。よかったな」と言いました。

 受験勉強ってのはスプリントレースだがら、ゴールの時には微差なのよ。
 ゴール直前で加速できるかどうかが合否の分かれ目。

 それは、間違いつぶしの蓄積による、知識の断片の脳内シナプス結合によって起こる。
 参考にしてください。


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