1/29に講演会をやってくれる森崎は「娘たちに背中を見せてあげられるように……」という言葉をしばしば使うけれども……って書いて気付きました。
 ホント今、気付いた!!

 今日は息子のトシくんの誕生日でした。
 31歳です。

 「背中を見せる」ということになると、すぐに弟の言葉を思い出します。

 私も弟も、小学校の時は学年で一番勉強ができる子だったけれども、弟の長男もウチのトシくんも高校を卒業できなかった……。
 トシくんなんて、中退じゃなくて退学(レッドカード)だからな〜(笑)。

 「もう今日で最後」という日、学校に行って手続きをして、帰途、来来軒でトシくんと一緒にメシを食い、その足で弟の店に寄りました。
 「トシくん、今日で退学だよ」と言ったら、弟は爆笑した後、こう言いました。

 「アニキ、全部オレたちが悪いんだぜ」

 それを聞いてオレも笑いましたよ。
 苦笑じゃなくて快笑ね。
 「ホント、その通りだよな〜」と思ったから。

 今思えば、オレも弟も、周囲の大人たちの言うことをあまり聞かなかったからな〜。
 しかも、公務員教師なんか明らかに下に見ていたしね。
 そんな父親の子たちだから、教師の言うことなんか聞かないのも当然です。
 自然に親の真似をしちゃっただけなのです。

 その翌日の朝、トシくんは悲壮な顔をして「お父さん……」と私のところにやってきました。
 そして「ボク、中央には行きたくないんです」と叫びました。

 中央というのは、中退・退学した子たちが行く通信制の高校です。
 昨日は「中央でいい」と言うから、中央に入る手続きを教師にお願いしてして帰ったけど、一晩考えて「どうしてもイヤ!」だと思ったのでしょう。

 久々に父ちゃんの大激怒を浴びることを覚悟していたのでしょうね。
 蒼白な顔をしていましたよ。
 でも私は、穏やかに「ん? 何で?」と聞きました。

 そうしたらトシくんは、再度叫んだのです。
 「みんなが行くから行くってのはイヤなんです!」

 その時の顔は今でもはっきりと覚えています。

 私は、腹の中では「よく言った! 偉いぞトシくん!」でしたが、それは口には出さずにこう言いました。

 「うん、いいよ。行きたくないのだから行かなくていい。学校には父ちゃんが電話して言っておいてやるから。
 ここはトシくんの家なのだから、好きに暮らせばいい。米も、冷蔵庫の中のものも自由に食っていい。
 でも、お金を入れる必要はないけど、お小遣いはあげないからね。金が必要ならバイトして稼いでね」

 そう言うととトシくんは心底ホッとした顔になり、「ありがとう」と言って部屋へと去って行きました。


 その出来事以降で、トシくんの表情をありありと思い出せるシーンは1回だけですが、小さかった頃の「あの時の顔」の思い出はたくさんあります。
 「子どもが小さかった頃、あんなに一緒にいた父ちゃんって、滅多にいないだろうな〜」と思えることは、保険屋としての私の最高のプライズなのだから。

 初めてつかまり立ちをしたのを目撃したのは、きっと私です。
 あの時の満面の笑みは、膨大な幸せ感とともにはっきりと思い出せますが……もしもトシくんにその時の記憶があるのなら、きっとこう言うと思います。

 「父ちゃんの顔の方がすごかったよ。ものすごくびっくりした顔してたもんね」
 筆を持っていたら、いきなり炬燵の向こう側に顔が現れたのだから、当然ですよ。
 
 初めて立ち上がった時は、家族全員が目撃しました。
 オレが「あ〜っ、立つ!立つ!」と叫んだら、家族全員が「え〜っ!」と駆け寄って来ました。 
 そして、足をガクガクさせながらも立ち上がり、驚いたような顔で静止したトシくんを見て、全員が「うわ〜っ」と大喝采しました。
 その後の満面の笑みも、膨大な幸せ感とともにはっきりと思い出すことができます。


 それから14年が経ちました。
 トシくんは今でも家にいます。
 退学から一年後に起業して、ネットで「遊戯王カード」を売り、たっぷり寝てたっぷり食いながらもオレよりも細い体型のまま、極めて自由人の暮らしをしています。

 まあ、「父ちゃんの背中を見て」ということなのでしょう。
 ただし、保険屋さんには極めて向いていないので勧めたことはありません。
 でも私は、トシとの時間を思うと、「保険屋さんになってよかった〜」と心から思えます。

 今日、もしも夕方までに顔を合わせたら、久々に飲みに誘おうと思っています。


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森崎仁美の「理念の力〜売り上げと幸せを2倍にする!」

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