多くの人は、目標が達成できない理由を「意志が弱いから」「頑張りが足りないから」だと思いがちだよね。
 でも、それはほとんどの場合、的外れな認識。
 問題は意志でも根性でもなく、もっと手前の構造にある。

 目標が達成されなくなるとき、そこではある「入れ替わりが」起きているのよ。

 例えば……私とは無縁だけど、ダイエットを考えてみようか。

 「○キロまで痩せる」というのは、誰にとっても分かりやすい目標だよね。
 そのための方法として「週に3回ジムに行く」を選ぶ。
 ここまでは何も間違っていない。

 ところが、しばらくすると状況が変わるんだな〜。
 ある時に「あ!」と気づくのよ。
 「先週は1回しかジムに行かなかった」ということに。

 これは「失敗」ではないよね。
 なぜなら、まだ目標達成の途中にいるのだから。

 ところが。

 多くの人は、ここでこんな風に思っちゃう。
 「来週から、週に2回は行こう!」って。

 この瞬間、何が起きているのか?

 本来の目標は「○キロまで痩せる」だったのに、意識の中心が「ジムに行けたかどうか」にすり替わっているのよ。
 目標そのものではなく、努力の実行可否が新たな目標になってしまう……。

 こうなると、人の関心は「今、体重はどうなっているか」ではなく、「できたか、できなかったか」に集中する。
 その結果として起こるのは……挫折でも失敗でもない。静かな忘却だ。

 人の脳は現状維持を好む。
 だから、努力が目標にすり替わった瞬間、脳にとっての問いは「続けるか、やめるか」になる。
 そして多くの場合、やめる理由を静かに集め始める。

 こうして目標そのものは、意識の外に押し出されて行く……。

 これはダイエットに限った話ではありません。
 人生でも、仕事でも、営業でも同じことが繰り返されているのよ。

 最初は数値目標を立てて行動計画を作っても、いつの間にか「今日もできなかった」「今月もできなかった」という自己評価だけが残るようになってしまう。
 そして人は、多くの場合、「自分は頑張れない人間だ」という結論を出してしまう。

 でも、そうじゃないんだよね。
 頑張れなかったのではなくて、目標と努力が入れ替わってしまっただけ。

 この構造に気づかない限り、人は同じ場所を何度でも回り続けるのよ。
 やる気を出しては忘れ、また奮起しては忘れる……その繰り返しを。

 だから問い直すべきなのは、「どうすれば頑張れるか」ではなくて、「いつから、目標ではなく努力を追いかけるようになったのか」なのです。

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