早くも11月。
この季節になると、いつも思い出す。
今から20年前のことを。
会社のデスクで、ふと思った。
「オレはこのまま、この会社で定年までを過ごすのだろうか?」
会社も仕事も好きだった。
でも、30歳を迎えた時、そんな思いを抱いた。
しかし、はたして自分に何ができるのか。
独立する気もない。そんな力もない。
大学4年の夏までは寿司屋になることを疑わず、会社員になっても「いつかは自分の店を」とは思うものの、金も腕もない。
「もし、神様がたった一つ、何かをくれたとしたら・・・」
そう考えたら、思い当たるものは一つしかなかった。
「書・・・しかないだろうな」
その日から、10年ぶりの独学が始まった。
3年後、「書のための時間が欲しい」という理由だけで、思いもしなかった生命保険セールスの世界に飛び込んだ。
そして、公募展で受賞した。
個展を開き、書の本を3冊書かせていただいた。
書のカレンダーを作り、たくさんの人に買っていただいた。
「眠くて、寒いし、これから満員電車に乗って、仕事をして・・・それだけだったのに、三洞さんのカレンダーが家にあるようになってから、毎朝、ホッとする瞬間が持てるようになりました」
「まだ買えますか? 20部なんですけど。お歳暮代わりに送った人から『私もこれを贈りたい』って言われちゃって」
ものすごく嬉しかった。
私にも、私の書にもできることがあるのだと思えた。
そして今年も、カレンダー制作の時期を迎えた。
今年が10年目。2013年度版は11年目。
新たな10年が始まる。
さあ、どんな言葉を書こうか?
どんな作品を創ろうか?
2013年、カレンダーを眺めながら、私はどんな日々を過ごしているのだろうか・・・。
【2013年版三洞カレンダー「ちょっとしあわせ気分」】
ご予約の受付を開始しました。
ありがたいことに、昨年は早々に売り切れとなりました。
お早目にご予約いただければと存じます。
【ちょっとしあわせ気分になれるメルマガ「三洞だより」登録】