起業における「踏み絵」

2012.9.11|起業を応援

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私がかつて雑誌に連載していた記事を掲載します。

独立起業を目指す方、社長として日々奮闘している方に向けて、世の多くの社長さんが抱える問題点の解決方法や、社長さん方の苦労話を書いたものです。

連載コラムのタイトルは、「社長さんになったら」。
では、お読み下さい。

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今回は独立・起業を目指す方に、社長さんになる前、つまり、会社を辞めて独立・起業を目指す段階での、ある話をしてみたいと思います。

何事も長続きせず、転職がクセになっている人はいざ知らず、ある程度の期間にわたって在職していた会社を辞めるのは、それはそれは大いなる勇気を必要とするものです。
安定した収入、慣れ親しんだ環境、獲得した地位、そうしたものをかなぐり捨てて、荒波の中に船出して行こうというのですから。

お世話になっている大先輩(女性の方です)から、かつて、こんな話を聞きました。

その大先輩のご友人のご主人様・・・・・・その方、日本人なら誰でも知っている大企業の部長さん。近々取締役に就任の予定というところで、癌に罹っていることが判明したそうなのです。

幸い、早期に発見できたこともあって、手術は無事に成功。
再発の可能性も低く、無事退院ということになったのですが、その方、退院を間近に控えた病院のベッドで、ふと思い出したそうです。

自分は、会社を定年退職したら焼き鳥屋のオヤジになりたかったんだと。

癌であることは告知されていましたから、再発の可能性は低いとは言え、いつまたどうなるかはわからない・・・・・・。
であるならば、今、焼き鳥屋をやらないと……やるなら今しかない……そう思ったそうです。

退院後、すぐに会社を退職。
ご友人達はリハビリを兼ねた休養ぐらいに思っていたそうですが、実際はそれどころじゃない。何しろそれまではサラリーマン一筋ですから、飲食店のことなど何もわからない。
そこで、休養とは正反対、焼き鳥屋に修行に行った・・・・・・。
そしてその後、退職金をはたいて自分のお店を開店したそうです。

奥様にしてみれば、まさに驚天動地の展開ですよ。
「取締役になって、それから数年で定年。子供はすでに独立したし、退職金と年金でのんびりと老後を過ごそうと思っていたのに……」

そう、大企業の役員婦人という予定が、いきなり焼き鳥屋のオカミサンになってしまったのですから。

ところが、この奥様、偉いですよね。ご主人の決意に至る過程はよくわかっていらっしゃいますから、癌で手術と聞いた時の事を思えば、やる気に満ちたご主人の様子だけでも喜ばしいことと、何も言わずに一緒に修行に行ったそうなのです。

数年後、ご主人は以前にも増してお元気で、焼き鳥屋のオヤジとして働いている。
奥様も、そのまま役員婦人と言っても通りそうな品のよい笑顔で、毎晩店に立っている。
お店は不景気なんて関係なしの大繁盛。

奥様、こうおっしゃったそうです。
「あの時は、本当に目の前が真っ暗になるような気がした。でも、今まで家族のために働いてくれた主人の希望なんだから、協力しなくてはいけないと思った。こんなに充実した毎日が来たのも、あの時、そう思ったおかげだ」って。

イイ話ですよね。
こういう話を聞いて「その人は特別」とか「子供が独立しているから出来るんだよ」なんて上げ足を取るような言葉を吐く人は、きっと何をやっても楽しくない人なのでしょう。
お察ししますが無視します。
もちろん、独立・起業なんかしても失敗するだけでしょうね。そんな人、お客様だって好いてはくれませんから。

ただし、現実的には、こうしたケースは稀だからこその“イイ話”なのも事実でありまして、実際は、独立・起業を思い立っても途中で挫折してしまう場合の最も多い原因が「奥様の反対」なのですよ。

まあ、女性と言うものは、とかく現実的で“巣を守る”本能がプログラムされていますから、安定を捨てることに反対しても、それは仕方のないことかもしれません。

とは言え、そこは人間です。本能だけで生きているわけではありません。
折角、新たな道に進もうと思い、その決意を思い切って打ち明けたのに、頭ごなしに「何考えてんのよ!」とか「冗談じゃないわよ!」なんて、目を吊り上げて叫ぶような配偶者には、「そっちが本能で反対するなら、こっちだって本能のおもむくままに浮気してやる!」とでも言ってやりたくなります。

しかし、……ここが肝心なんですよ!

自分が本当に「やりたい!」と思ったことならば、それを、最良の協力者であり、パートナーであるべき奥様に、きちんと理解してもらえないようでは、たとえ独立・起業はできたとしても、成功はおぼつかないと思うのですよ。
なぜなら、最も身近な存在である奥様に、独立・起業の思いを理解してもらえない原因の多くは、日常生活において、相手を思いやる気持ちと、それに伴う行動が欠けていた結果なのですから。
コンサルティングをすると、ほぼ100%に近く、その結論に落ち着いてしまうのです。

ところが、社長さんの仕事とは、端的に言えば「相手(=お客様)の気持ちに思いをはせ、その結果を反映した行動を実施すること」。
最も身近な存在である奥様にそれができなくては、お客様に対して出来るはずもないではありませんか。
社長さんは、その能力がなければ仕事にならないのですから、成功なんて夢のまた夢……ということになってしまいます。

つまり、奥様の同意と協力を得られるかどうかは、独立・起業に向けての踏絵だとも言えるのです。
「この人が言い出した事だから仕方ない」と、何も言わずに賛成した奥様を持つ起業家は、運が良かったのではなく、それだけの資質を持ち、それに見合うだけの行動をしてきたのだということなのです。

ですから「独立・起業はしたいけど、きっと女房が反対するだろうなー」という皆さんは、まずはこの点をよーく考えてみることが必要だと、私は思うのであります。

(転載ここまで)

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起業の教科書いかがでしたでしょうか。

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