人件費と人材についての一考、そして国際化

三洞の三洞らしき日々

日曜日の夕方、お店の常連様のカナイさんから「Sakuragiにいますので、よかったら」とのメールが来ました。
丁度、原稿仕事に行き詰っていたところなので、ジャージに首タオル姿のまま、傘をさして出かけて行きました。

5人ほどがテーブルに座って飲んでいました。
そこで紹介されたのが、中国で工場を経営する日本人の女性。
同席していたのは、その弟さんで、お姉さんと一緒に中国で仕事をしている方。
そして、現在、早稲田の大学院で国際経済学を勉強中の「Li Sun」ちゃん。
カナイさんは、娘さんが香港の大学に留学中。
飲んでいるお酒は中国の高粱焼酎と、カナイさん宅にホームステイしていたドイツ人のお土産のドイツ薬草酒。
何だかとっても国際的な宴会です。

私も「島国日本」の人間だとつくづく思いました。
中国で工場を作って儲けている・・・一体、何から着手してそうすればそんなことができるのか、想像もつきません。
私にとっては異次元の世界の、スーパーウーマンです。

その方から、非常に興味深い話を聞きました。

その方の部下の女性が、かつてフランスに居た(「行った」のではなく、生活していた)時の話です。
彼女、誰でも知ってる、あの「PRADA」が社員を募集していたので、面接に行ったそうです。

そうしたら、面接官の女性にこう言われたとのこと。
「時給は1500円。ただし、350円でいいなら、私の知っているノウハウを全部教えてあげる。さあ、どっちを選ぶ?」

その瞬間、私の頭の中に、「プラダを着た悪魔」のメリルストリープが出現しました(なぜかアン・ハサウェイは思い浮かびませんでした。あの映画のアン・ハサウェイ、大好きです)。

偉いですね~。
彼女、350円を選択したそうです。

そうしたら、1500円の人とは完全に別扱い。
服の原価や、なぜこの値段で売るのかという理由や、その他、様々の「企業秘密」に類することを細かく教えてくれる・・・。
入ったばかりの女の子では到底参加できないような打ち合わせ(エルメスとの合同作戦会議など)や、展示会やパーティにも同行させてくれる・・・。

「結局はお金じゃないのよね~」

その一方で、
「でも、人件費の設定は、それはそれで大事なのよね。時給2000円で募集を掛けると、“自分は到底2000円の仕事はできない。そのレベルじゃない”って思う人は応募してこない。だから、人件費は大きな出費だけど、単純に安くすればイイってものでもないんだよね~」


いずれも、とってもイイお話でした。
思考が触発されました。
ものすごく色々ことを考えさせられましたし、同時に色々なアイデアも浮かんで来ました。

人件費の問題は経営にとって非常に重要ですが、しかしそれは「効率化」が必要なのであって、「単純な削減」であってはいけないのでしょう。
大企業ならともかく、中小以下の企業においては、その点をしっかりと認識することが大切なのだろうな~と、つくづく思います。

10年ほど前に、社労士さん相手のセミナーで、「どの会社も能力給への移行は必須課題なのだが、そのシステムが作れない。だから、その基準となるモデルを作って提案できるようになったら、大繁盛間違いないし、食えないなんてことはあり得ないはず」という話をしましたが、その時は受講者の皆さん、一様に「私には無理」との返答にて、「ダメダコリャ!」とかなりがっかりしたことがありました。
しかし今、能力給への移行も思ったほどには進まない中、実情はと言えば、さらに高度な、かつ、戦略的な人件費対策が必要な時期を迎えています。

そんなことをあれこれ考えるのは、分野の違う私であっても、とっても面白いことなんだけどな~。


宴も終了し、原稿が中途半端なままなので帰ろうかなとも思いましたが、かわいいLiちゃんがもう少し店に残るというので、たまたま来ていたベンちゃんを交えて二次会に突入。
Liは、元々はベンちゃんが知り合って友達になって、お店に連れてきた子なのです。

そうしたら、ベンちゃんのマブダチのカナダ人クリスが登場!
宴席は英語と中国語と日本語と音符(クリスはギタリストでもあります)の混じる、国際色豊か、かつ、にぎやかなものになりました。
クリスは結構中国語が喋れるんですよ。驚きました。
ここでもまた、私が島国日本の住民であることを痛感しました。


そして翌日の今日、店にドイツ人が7人やって来ました。
ドイツ語を聞きながら、片言の英語で喋っておりました。
昨日今日と、妙に国際化した私でした。



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